2016.08

　ビジネスパーソンにとって、昼間に飲む酒は心を解きほぐす妙薬である。とくに出張先で時間が余った時、昼間でもふらっと入れる気の利いたバーがあれば、仕事の出張も楽しい旅に変わるというもの。　繁華街からワンブロック離れた閑静な一角に佇む「BAR ten」は、そんな旅先でのひと時を過ごすのにもってこいの場所だ。　県内各地の焼酎の名品・逸品はもちろん、ワイン、日本酒、ウイスキーも揃え、幅広い好みに応えている。加えて、黒豚やキビナゴなど鹿児島産食材を使った串焼きを筆頭に、コロッケ、チーズ、ポテトサラダなど60種を超える本格的な肴は、バーの範疇を超えるほど。旬の魚を使ったにぎり寿司もメニューにあり、酒の肴にも、締めのひと品にもおすすめだ。　居合わ...

　しゃぶしゃぶやとんかつでは味わえない、黒豚の奥深い味わいに開眼すること間違いなしのお店が天文館の「黒いだるま」。その日仕入れたばかりのレバーやハラミ、サガリ、ガツといった黒豚の希少部位を、県内でも珍しい芋焼酎とともに味わえる黒豚専門店だ。　中でも黒豚の刺身は、他店ではなかなかお目にかかれないレアメニュー。熱を入れたとは思えないプルプル、コリコリした食感と黒豚の旨みが口中に広がり、焼酎を呼ぶ。豚肉の刺身、と聞いておっかなびっくり食べ始めた人も、それぞれ異なる食感、味わいに次々と箸を伸ばしている。　「黒豚だけでどこまでやれるか追求してみたかったんです」。オーナーの山本さんが「黒いだるま」を開いたのは、シンプルに黒豚料理をきわめたいとい...

　“食”は、旅をより深く印象付ける。その土地ならではの食材とお酒で、思い出に残る時間を過ごしたい。赤衛門は、繁華街・天文館で夕方４時から飲めるレアな店。少し早めに腹ごしらえできるから、夜をゆっくり満喫したい人や、一刻も早く疲れた羽を伸ばしたい人にもってこいだ。木に囲まれた店内はどこか懐かしく、半個室のように使えるテーブル席や、掘りごたつ式の座敷、カウンター席など思い思いにくつろげる。　名物の「わら焼」は、注文を受けてから手早く焼き上げるとあって、香ばしさが際立ち、ギュッと凝縮された素材の旨みを堪能できる。天井に向かって約８００度もの炎を上げる調理シーンは、どこの席からも眺めることができ大迫力だ。黒毛和牛の塩タタキやイカ炙り、ベーコン...

　鹿児島最大の繁華街「天文館」。〝焼肉通り〟のど真ん中に位置する『焼肉の和牛門 本店』は、地元客はもちろん、舌の肥えた有名芸能人にも愛される人気店だ。　地元精肉店『肉の松坂屋』が営むことから、精肉のプロが厳選した最高品質の黒毛和牛、契約農家直送の極上黒豚を、リーズナブルな価格で食べられるのがうれしい。炭火焼にこだわった焼肉はもちろん、しゃぶしゃぶ、すき焼きはとにかくうまい。中でも、こぶ、チゲ、豆乳のスープから2種類を選んで味わう「極上黒豚しゃぶしゃぶコース」、和牛と黒豚、さらに焼肉としゃぶしゃぶを同時に楽しめる「極上和牛＆黒豚 焼肉＆しゃぶしゃぶ食べ放題・飲み放題コース」は、県外客〝必食〟のコースだ。コースでは「さつま揚げ」や「サツ...

　温暖な鹿児島でも９月の半ばを過ぎるとそよそよと吹く風に心地良さを感じつつ、空の高さに季節の移ろいを知ることとなる。　魚市場には脂の乗った秋太郎を始め秋刀魚、鯵、鯖など青魚が並ぶその中にひときわ大物を目にする時がある。アラの仲間だ。幻とも魚の王様と言われるクエをはじめ真ハタや赤ハタなどだ。　「うちのお客さんは魚好きが多いからアラは外せないですよ」と白鹿大将の川邊さん。「幻の魚ですけどよく入りますね、だけど価格もすごいから幻になっちゃう事もしばしば。あのプリッとしたコクのあるさっぱりした白身、骨から皮まで通をうならせる味、魚の頂点王様と言われる所以でしょう。お客さんの喜ぶ顔が見たくってついつい買ってしまいます」。　お刺身、煮付け、肝吸...

　掘りたての落花生を擦って練り上げたピーナッツ豆腐の香り。黒潮の海で育ったカンパチの歯ごたえ。健やかな農場で育った黒豚からしたたる甘み…　鹿児島産食材を五感で堪能できるのが天文館の「たけんこ」。食材は、鹿児島県内各地に店長自らが赴き、厳選したものが揃う。　なかでも食材の宝庫大隅地方・鹿屋からは、指定牧場の黒豚、漁協ブランドのカンパチ、名産の落花生（だっきしょ）がラインナップ。全室個室づくりの落ち着いた佇まいも、くつろぎのダレヤメ（晩酌）にぴったり。二人でしっとり飲みたい時は、掘りごたつ式のカウンターもおすすめだ。　定番の黒豚しゃぶしゃぶ、出水産赤鶏の刺身はハズせない郷土の味。このほかタケノコや鱧など季節ごとのメニューも見逃せない。「...

　「最近鶏が人気でねー、県外の人がとっても喜んでくれるんよ」と大将は少し自慢そうに言った。確か知覧産の鶏で肉に弾力があって甘みが濃厚なあの鳥刺しだ。　鹿児島では酒肴としては鳥刺しは一番人気、次にキビナゴ等の魚のお刺身、あとは時々黒豚・黒牛が幸運にもまわって来る時がある。　要するに庶民の暮らしには鶏が昔から重宝がられており、新鮮で最高の部位を親父が食べていた訳だ。先に別膳で焼酎片手にグイッ、ハーと旨そうに飲んだ。子供たちはそれをちらりと見ながら腹を空かせていたものだった。たまに親父が鶏の刺身を一切れ手に載せてくれた。今はあの頃とは違う。子供達が先に唐揚げを旨そうに食べている。鳥刺しが登場する機会はなかなか巡ってこない。あるのは唐揚げと...

　日本有数の畜産基地でありながら、優良食材の認知度が追いつかない大隅半島。その味の魅力をたっぷり楽しめるのがこの店。鹿屋産ふくどめ小牧場謹製の肉汁あふれるソーセージは、他店では食べられない本格的な逸品。普段食べているソレとは一線を画す味わいは、ビールの最高の友となる。志布志産の鱧（ハモ）は天ぷらを塩で。秋から冬にかけ身が締まり脂ののった鱧の上品な風味が口の中に広がり、心和ませる。釜揚げしらすは湯豆腐でいただけば、出汁も利いて食欲も進む。　大隅が蔵元の人気焼酎も、県外客に好評の「海」や芋の奥深さを堪能できる「侍士の門」など、いろいろセレクトできる。鹿児島県産黒毛和牛で作る熟成牛タンあぶりと一緒にいただけば舌も鼓を連打する。屋台村の雰囲...