地元人に定番と呼ばれるそば茶屋。vol.1

そばといえば信州? それとも北海道?
いやいや、じつは鹿児島もそばの名産地。
そして、めっぽうにぎわうそば屋がある。
田舎風で敷居が高くない、
いつ行っても味を裏切らない。
そんなそば屋が「そば茶屋・吹上庵」。
地元人が親しみを込めて呼ぶ「そば茶屋」だ。
大きな水車、茅葺き屋根にお地蔵さん。
昔話に出てきそうな山間の峠で
1軒目をスタートさせたそば茶屋は、
40年経ったいま十五店舗に。
(吹上、平川、姶良、鹿児島市内……)
吹上庵のある街は、
なぜか元気であたたかい。
いまや地元の定番と呼ばれる、そのそば屋の
暖簾の奥のそのまた奥に息づくものとはー。


鹿児島にそばあり

そばが好きで、よく食べる。

そばはシンプルな食べ物だが、ほんとうに奥深いと思う。

その土地その店で、味も食感も、食べ方も違う。

信州そば、東京そばだけではなく、日本列島の北から南まで、

それぞれの土地に独自のそば文化が存在する。

ある地域では、そばがとろけるほどに熱い釜揚げを、

はふはふと吹き冷ましながら味わう。

またある地域では、冷たいそばにたっぷりの大根おろしで楽しんだりする。


東のそば、西のうどんのイメージがあるが、

もともと鹿児島は全国有数のそばの名産地である。

しかし以前は、「家庭の味」の域を出ず、そば屋の少ない土地柄だった。

あっても、ずずっとすすれない、短く切れるそばだった。

それが、どうだ。

今や黒っぽい薮そばから、白い更科そばのお店まで百花繚乱の感がある。

この地にも、そば文化が根付いてきたのだ。

 

なぜそうなったかというと、ひとえに「そば茶屋」ができたからだと思う。

その昔、田舎の峠にできた1軒のそば屋が店舗を増やして40年。

「鹿児島にそばあり」をみんなに知らしめてくれた。


敷居の高い高級店でもなく、かといって大衆チエーン店でもない。

老若男女が気軽に、本格的なそばを楽しめるのがそば茶屋だ。

そこに三日と空けず通う人、

しばらくご無沙汰すると、そろそろ行かなくてはと、そわそわしてしまう、

そば茶屋に恋しているような人も知っている。

そば好きの客人とあれば、この店を、おもてなしの定番とする人も少なくない。


ミナミノクニ/地元人が見つけた面白い鹿児島

鹿児島で発行されている観光情報誌の編集スタッフがお届けする鹿児島のウェブマガジン。

0コメント

  • 1000 / 1000