目の前で繰り広げられる、 地球の鼓動にシャッターを切る。
長野 成人 さん アマチュアカメラマン
高校生時代にカメラ部に所属。 鹿児島で桜島を撮り続けてきたという長野さん。桜島の様々な表情を写真におさめてきたという。理解の深い奥様と(奥様は桜島周遊のバスガイドさん。)
「どーん」と空振を伴った爆音とともに山肌に降り注ぐ火の雨。山は瞬く間に真っ赤に染上げられ、噴煙の中には青白く雷光も放たれる。パチパチと音を立て煌めく赤と黒の自然の描写にただただ息を飲む― この瞬間を捉えようと足繁く桜島に通うカメラマンも多い。その一人アマチュアで桜島の夜景に挑む長野さんを撮影ポイントの黒神に訪ねた。 「もともと鹿児島のシンボル桜島を題材に撮っていました。夜の桜島も撮りたいとカメラを据えたその初日に大きな噴火に遭遇して。これがまた思いがけなくいい写真が撮れたんです。それから病み付きになって熱中し始めました」と長野さんはビギナーズラックを嬉しそうに話す。しかしその後は甘くなかった。会社員のため集中できるのは週末の限られた時間。「そう簡単に桜島は噴火してくれないし天候や風向き、視界不良に悩まされるのも度々です」。 それでも長野さんのオリジナルの写真集には、「迫力のある美しい写真」への執念が、みごとに収まっている。 「地球の鼓動が私達のすぐ近くで繰り返され、見るものに時に美しく、時に畏敬の念や感動を呼び起こす。そんな桜島の魅力を多くの方に写真を通じて伝えられたらと思っています」。と、その瞬間「どーん」と桜島が噴火。地響きと轟音とともに、もくもくと噴煙が沸き上がった。「僕にとっては自然と向き合う大切な時間です。与えられた条件の中で最善を尽くした1枚1枚。写真を通じて人が喜んでくれることが僕の創作エネルギーです」。そう語る長野さんの眼が、メラメラと燃えていた。
待てど暮らせど穏やかな桜島、しびれを切らしてパチリ。お月様ものんびりされている。
年に一度遭遇するかの会心の力作の一つ。長くても数秒間の出来事だ。「カメラを構えたら気は抜けないです。」と苦笑いの長野さん。
昼間の昭和火口、山頂より大隅半島側にあり火口を望む事が出来るのは大隅側だけだ。
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