たからものを、未来へ。Vol.1

宝石かと、思った。

菓子工房 ボンヴィヴォン

パティシエール 吉國 奈緒美さん

「東京、ヨーロッパと修行した先々で、

おいしいお菓子に出会うたびに、ああ、

これを故郷の人にも食べさせたいな、と思いました」と、

吉國さんはゆっくりと記憶を辿るように話した。


フランスではバックパッカーの子がお腹を満たすパンではなく、

ミルフィーユを頬張るほど、お菓子が日常に溶け込んでいた。

また、地方に行けば、その土地の人が愛してやまない食があって、

もうこれは食べた?と必ず聞かれた。

「自分が生まれ育った鹿屋でも、そんな風景を作りたい!」

気がつけば、25年。

まちを愛する洋菓子屋さんは、

まちの人々に愛され、

キラリと光る宝石のようなお店になった。

3代続くお客様も珍しくない。

「今日は、近くの小学校にお話をしに行くんです。

この地域はパティシエになりたい子たちが多いらしくて。

お菓子づくりの楽しさを教えてあげたい」

吉國さんの顔が、思いっきりゆるんだ瞬間だった。

子どもたちが夢や憧れを持って成長し、

生き生きと輝くことは、まちの幸せにもつながっていく。

人生を生き生きと楽しむ!

ボンヴィヴォンの店名の意味が、すっと心に落ちた。

ミナミノクニ/地元人が見つけた面白い鹿児島

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